TECH NOTEテックノート

ERP(基幹業務システム)~発注管理「ミニマックス法」

2015/07/07

カテゴリ
ERP(基幹業務システム)
タグ
ERP在庫管理発注管理販売管理

今回はERPにおける発注管理の手法としてしばしば用いられるMin-Max法について説明します。

Min-Max法とは

Min-Max法は、発注点管理の代表的な発注方式です。
発注点管理とは、在庫がある量を切ったら発注する方式です。

Min-Max法は、在庫が減ってMin値を切ったら、Max値に戻るように発注する方式です。
発注点=在庫がMin値を切った時点
発注量=(Max―在庫数量)+リードタイムの予想需要

リードタイムとは、発注から納品までの時間のことですが、発注しようと思ってから、実際に発注できるまでの事務的な時間である「発注リードタイム」と、発注してから納品までの時間の「調達リードタイム」があります。
通常、リードタイムというと、この2つを加えた時間のことです。
顧客が待つことのできる期間を顧客リードタイムといいます。

Min値の設定は、安全在庫とする場合が多いです。
安全在庫とは、過去の1回の受注の最大量と定義するのは簡単ですが、そのように安易に考えると在庫が大きく膨らんでしまいます。大口需要の場合は、何らかの前触れがあるのが普通です。

Max値の設定は、何日分の在庫を持つかで決まります。
Max値=平均出荷数量×日数

在庫日数とは、月末の在庫数量を当月の1日当たりの平均出荷数量で割った値です。
Max値とMin値の設定しだいで、在庫日数が決まります。たとえば、
Max値=3日分の在庫
Min値=2日分の在庫
在庫管理者の腕次第で、会社の資金にゆとりを生むことができます。

定期発注、不定期発注

定期発注とは定期的に発注する方式です。(毎日、または、毎週月曜日など)
不定期発注とは、特定の条件が満たされたときに発注する方式です。
発注方式は下図の4通りが基本です。

定量発注 不定量発注
定期発注 定期的に定量を発注します 定期的に必要量を発注します
不定期発注 ダブルビン法など Min-Max法、ロットフォーロットなど

(ダブルビン;Max=2Min、ロットフォーロット;都度、その個数)

需要の安定していない在庫に対しては、在庫管理理論は機能しません。
どのような手法を採用するかは十分な検討が必要です。

Min-Max法を適用する条件

Min-Max法は簡易な発注方式です。
流通業で品目数が多く、管理が大変なので需要の少ない(金額も少)品目に適用します。
製造業では、需要が多くなく、詳細な在庫管理ができない、または必要な品目に適用します。
ABC分析でCの品目に適用します。
過去の需要実績から発注点を決めているので、需要変動が大きい場合は適用しません。
キャンペーンなどを反映することはできません。
需要の多い品目や重要な品目、価格の高い品目には適用してはいけません。
海外に発注するなど、リードタイムが長いもの、不安定なものには適用してはいけません。

Max=最大在庫量(大きくすると発注間隔が大きくなり、在庫量が増える)
Min=最小在庫量(安全在庫量)
Lt=調達リードタイム
D2=調達リードタイム間における需要量
発注点=在庫量がMinより小さくなった時点
V=発注量=Max-Min+D2

テックノート一覧に戻る

横浜

CONTACT

ご質問・お見積り依頼などがございましたら
お気軽にお問い合わせください

お問い合わせ

pagetop