2024/02/19
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1.プロトタイプフェーズ
ニューテックでは比較的開発期間の長いシステム開発案件を受託した際に「プロトタイプフェーズ」の設定を提案させていただき、お見積事項の1つとさせていただくことが多いです。実施の内容や目的、期待される効果は以下のとおりです。
※一般的なシステム開発技法の「プロトタイピングモデル」とは異なります。
2.実施内容のイメージ
システム全体の機能のうち、典型的な機能パターンを極力多く盛り込んだ数機能のみをターゲットし完成に近いレベルで実装します。実装内容は画面の見た目のみ(いわゆる「紙芝居」)だけでなく、登録や画面上の処理も含めた完成品に近いイメージまで本番と同等の環境で開発します。
3.目的
・お客様にシステムの操作感を実感していただき、ご了承いただきます。
(システムの起動、ログイン、検索、登録、出力など)
・画面構成やデザイン(配色や文字)レベルなどについてもご意見をいただき、ご了承いただきます。
・想定される通常のデータ件数や想定される最大値でのパフォーマンスを本番と同等の環境で検証して、レスポンスに関してご了承いただきます。
・頻出する実装パターンを全て開発対象に盛り込んで、弊社内の技術的課題はこのフェーズでクリアするようにします。
・仕様書に記載しないレベルの事項(ベースとして備わっている機能や見た目)に初期の段階で共通イメージを持っていただきます。
⇒いずれも、完成後の調整が難しいか多くの時間が必要となってしまう部分であり、初期段階で後のフェーズで発生するリスクを軽減するための措置となります。
4.確認方法
・検証環境をお客様に開放し、自由に操作してもらう期間を設定してフィードバックを受けます。修正すべき点があれば修正を行います。
・弊社よりご確認いただきたい事項をリスト化して確実にチェックしていただきます。
5.実施時期
・プロジェクト開始時に開発するシステムのイメージが不明確な場合
⇒要件定義後、基本設計前
・開発するシステムのイメージがある程度明確な場合
⇒要件定義前
6.期待される効果
弊社の案件で実際に取り組むことにより非常に大きな効果を実感しています。
・要件定義や基本設計前に出来上がりのイメージを双方で共有しながら進められる。
・完成披露の段階で基本的な部分の認識齟齬が少なくなる。
・お客様に安心感を与えることができる。
・開発する段階での技術的課題発生が少なく、納期への影響が少なくなった。
・これらの結果、開発物の品質と顧客満足度が向上した。
7.まとめ
クラウドサービスなどと異なり、個別開発型のシステムは開発初期に完成イメージが掴みにくいことも少なくありません。このようなプロトタイプフェーズを初期に設定することによりお客様とのイメージギャップを埋めながら開発を行うことを実現しています。
効果も大きいことから、双方にとってメリットのある手法として、このフェーズをお見積りにも含めることをご了解いただいております。